村野藤吾賞とは

村野藤吾賞は日本現代建築に多大な功績を残した建築家・村野藤吾を記念し、建築界に感銘を与えた建築作品を設計した建築家を 毎年ひとり選んで与える賞です。
村野藤吾記念会会員および選考委員が推薦した作品の設計者を選考対象としています。
選考は、村野藤吾記念会が選定する5名の選考委員が行います。
表彰式は、毎年5月15日、村野藤吾の誕生日に行います。

村野藤吾賞は、この賞を維持、運営することにより、建築界を担う次世代の育成を目的とした村野藤吾記念会が主催します。
村野藤吾記念会は、村野藤吾賞の趣旨とその継続に賛同し、基金へ醵金いただいた方々を会員とし、 会員の互選により選出された委員、および委員会により選出された代表によって運営されています。
現在の代表は、建築家の古谷誠章が務めます。

村野藤吾賞の経緯

1987年に村野藤吾記念会(村野漾代表・故人)が、村野・森建築事務所内に設立され、そのスポンサーシップにより、村野藤吾賞運営委員会(吉田義男委員長・故人)が、第1回(1987年度)から第10回(1996年度)までの村野藤吾賞の運営を行ってきました。

その後、村野藤吾記念会が第10回(1996年度)村野藤吾賞をもって解散することになったため、村野藤吾賞がなくなることを惜しむ、村野藤吾賞運営委員会事務局の馬場璋造(故人)、早稲田大学建築学科の卒業設計賞(村野賞)受賞者の集まりである村野会の森義純らのはたらきかけにより、村野藤吾記念会代表であった村野漾氏の了解を得て、1997年に、池原義郎(故人)を代表とする村野藤吾賞を継続して運営していくことを目的とした新しい村野藤吾記念会が設立されました。

1997年10月に、村野藤吾記念会(池原義郎代表)は127名の発起人と共に、広く建築関係各位の方々に、新しい村野藤吾記念会への参加を呼び掛けました。同時に募金委員会(三橋千悟委員長)を発足させ、運営基金への募金を募りました。その後、2007年にも再度、入会と募金を幅広く呼び掛け、2013年3月現在の村野藤吾記念会の会員数は、個人会員450名、法人会員130社となっています(随時、賞および会の趣旨にご賛同いただける方の入会を受け付けています)
村野藤吾記念会の代表は、2010年度の第24回より谷口吉生に、さらに、2015年度の第29回より古谷誠章に引き継がれ、現在に至っています。

第1回から、第10回までの村野藤吾賞は、「これからの日本建築界に新風を吹き込み、建築の新しい次代を担って行くであろう建築家を毎年ひとり選んで与える賞」を謳い、5名の選考委員がそれぞれ推薦した作品の設計者を選考の対象としていました。
新しい村野藤吾記念会が設立された第11回(1997年)以降、賞の主旨は「建築界に感銘を与えた建築作品を設計した建築家を毎年ひとり選んで与える賞」と変わり、選考対象も、選考委員のみならず、村野藤吾記念会の会員に幅広く推薦を求めるものになりました。

受賞者に正賞として贈られる村野藤吾の横顔を刻んだ銀製のメダルは、村野藤吾と同じく芸術院会員で文化勲章受章した彫刻家、圓鍔勝三(えんつば・かつぞう、1905 - 2003)によるもので、第1回より変わらず、受賞者の栄誉を称えています。